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2006/12/07

ユニコーンについて その4 【佐々木】

 「若者よ、ユニコーンを聴きなさい。」でお馴染みの、キンモクセイの佐々木です。『ユニコーンについて』その4でございます。なんで俺が?なんで今頃?なんでオフィシャルのブログで?その答えは「ファンだから」です。

 ユニコーンにどっぷりハマった高校時代、書道の時間に、好きな言葉をお皿に掘るという授業がありました。直径20cmくらいの黒い塗料の塗られたお皿の、塗料の不要な部分を削り落として文字にするというものでした。版画を作る行程に似ています。多くの友達は、『友』だったり、『心』だったり、あるいは自分の名前を彫っていましたが、俺は迷わず『服部』にしました。先生には怪訝そうな顔をされました。

Hattori 俺が『服部』と聞いてまず思い浮かべるのは、『ハットリ君』でも『服部栄養専門学校』でもありません。ユニコーンの1989年発表の3rdアルバム『服部』です。すぐにこれが浮かぶ人はバッチリユニコーンリスナーでしょう。
 と言うわけで今回は『服部』をご紹介します。そう、敬称略で。


 1989年、この頃から2ndあたりから見え隠れする脱アイドル化に拍車をかけていく。あえて三枚目の方向に行こうとするメンバーの意図が見え隠れします。
 この年の初めに名物マネージャー原田氏が就任し、前任マネージャーには反対されていた『服部』というアルバムタイトルも実現することになる。しかしこのアルバムタイトルもジャケットも、理解のあるスタッフに恵まれてこそ実現出来る芸当ですよね。CDは演奏しているアーティストだけでなく、沢山の人間がチームとなって作り上げるものなのです。
 ジャケットのおじさんは服部さんではなく「中村福太郎」さんという鳶の方。後に阿部義晴がプロデューサーを務める氣志團のアルバムに、パロディでこの人が登場します。
 デビューから2年経ち、ここでようやく1stシングル『大迷惑』が発売されます。出すのを「忘れてた」そうです。そんなシングルを含む数曲を抜粋してご紹介。


M1.ハッタリ
 過去の楽曲を、プロデューサの笹路正徳さんがオーケストラによるメドレーにしたもの。かなり壮大なオープニング。ゴールデン洋画劇場のオープニングみたいでワクワクする。

M3.服部
 2曲目も小学生が大人びた歌詞を歌う『ジゴロ』という曲で肩すかしを食らう。開始から5分半あまり、ここでようやくメインボーカリストのの声が聞けるのだ。
 ハードロックなギターリフで始まるタイトル曲。大人の恋がしたけりゃそれなりのキャリアを積みなさいよと。その名も服部だと声高らかに歌うんですが、未だに意味が分かりません。

M4.おかしな二人
 かなりプログレッシブなイントロで始まります。当時のバンドですっげぇ練習したな〜。
 もの凄いキャッチーな雰囲気で曲が進んでいくものの、なかなかサビが出てこない。やっとサビだ〜!と思ったら、今度はこれでもかって言うくらいサビを熱唱してそのまま終る。ある意味すごい勢いのある曲です。
 作詞は川西幸一。才能が光ります。このアルバムから芸名を「西川君」に改名しています。ユニコーンは意味不明な事が多いです。

M6.君達は天使
 5曲目の『パパは金持ち』の後半がなぜかラテン風になり、この曲へと繋がっていく。EBIの作詞作曲で、リードボーカルも民生と二人でとっていて、二枚目対三枚目といった感じで面白い。
 コーラスにはプリプリの奥居香が参加していて、かなり張り切っているのがわかる。この曲の最後は急にパンク調になってヤケクソな感じで終る。

M10.デーゲーム
 2ndシングルのアルバムバージョン。シングルは『坂上二郎とユニコーン』名義で、坂上二郎が歌っている。2枚目のシングルなのにさっそく。
 聴き比べるとどちらのバージョンも味があっていい。Mixは明らかに違うけど、おそらく演奏のテイクも別(だと思うんだけど…)。コーラスアレンジも違う。
 シングルの方はやはりシングルらしく、楽器の定位はスタンダード、リバーブは多めでかなり派手な感じになっている。
 アルバムの方はリバーブがほぼ0に近いくらい無くなっている。おかげで一つ一つの楽器がハッキリ聴こえる。シングルバージョンでは1番の終わりから登場するベースも、曲の頭からいて、この曲の一つの象徴とも言えるラインを聴かせてくれる。民生の歌は曲の前半は左、後半は右から歌っていて、かなり生々しい。野球のシチュエーション的なSEも無くなっている。民生バージョンを聴く事によって、曲の一番最後の2拍三連のフレーズを坂上氏が歌えなかった事がわかる。
 野球アニメの主題歌のプレゼンの為に作った手島いさむの作品。プレゼンには通らなかったが傑作。このインド風アレンジからも、ギタリストと言う立場からも、ジョージ・ハリスンとダブる。

M11.人生は上々だ
 かなりチープな打ち込みドラムに乗せて始まる阿部義晴の代表作。初めて聞いた時は涙が出る程笑った記憶がある。
 阿部と民生とのツインボーカルで、地味だけどEBIのコーラスもカッチリし過ぎてて注目すると笑える。後半はどんどんキーが上がっていき、メチャクチャになっていく。壊れていく阿部と、あくまでも意地で歌おうとする民生とのライブ感あふれる掛け合いが聴き所。
 打ち込みドラムが、とちゅうで表裏が逆になってるのをそのまま採用しちゃうのがユニコーン。

M12.大迷惑
 言わずと知れたユニコーンの代表作であり、意外と1stシングル。ソニーの社員の人事異動に心を痛めて作ったという話は有名。ここでもプロデューサー笹路氏の手腕が光り、バンドのオケに対して絶妙な絡み具合でオーケストラが乗っかて、壮大なロックオペラに仕上がっている。
 さすがにこの曲は当時のバンドではコピーしなかった。今考えれば完璧に再現する必要なんて全然なかったのに、あまりにスケールがでかいもんだからハナっから諦めてしまったという。


 そう、曲のタイトルが全部日本語になりました。バラエティー感も全開。勢いに乗ってます。相変わらずアイドル的な人気は衰えないものの、音楽的な評価もグッと上がったターニングポイント的なアルバムなのでした。
 ちなみにこの年のオフにメンバーが海外旅行に散る中、民生はスパゴーのメンバーとロスに行き、『BAND HAS NO NAME』を録音しています。オフを有効利用。
 ではまた。

12月 7, 2006 佐々木良 | | コメント (6) | トラックバック